[No.5] YAMAHA MT-09SP 2018-2020 燃料マップ調整(現車セッティング)
セッティング車両の詳細
作業風景
実施前と比較してピーク馬力(後輪)[HP]が2.6[HP](2.5%) 向上しました♪
特に中回転(6,000rpm付近)以降のトルクの向上が大きく、加速に良い影響を与えそうです!!
ただでさえ、車重が軽い3気筒エンジンのモンスターバイクですので、どこからでも十分すぎるほどのトルクを発揮してくれそうです。これだけの変化があれば、体感でもはっきり分かる変化を感じ取れそうですね!!
実際、シャーシダイナモ上ではトルクの向上をはっきりと体感することができました♪
今回は「新しいデータ・ロガー」や「高速通信」を利用した「現車セッティング2.0[仮]」の対応車種ということもあり、前回「[No.4] YAMAHA YZF-R3(ABS) 2018-2020 燃料マップ調整(現車セッティング)」の記事でご紹介した、「様々なアクセルの開け方(入力)」に対する調整も実施いたしました。
内容の詳細については、前回の記事に記載したため割愛させていただきますが、同じように「スロットル・スピード方式により算出される噴射量」と「スピード・デンシティー方式により算出される噴射量」のバランスを考慮しながら、「低負荷 ~ 高負荷」、「低回転 ~ 高回転」にかけて「スムーズなエンジン特性」を目指し、補正を繰り返し行います。
その結果、アクセルを開けた分だけ、分厚いトルクを優しくスムーズに発揮できるような、まるでモーターのようなエンジン特性に近づけることができました♪
元々、「MT-09」はすごく乗りやすいバイクなので、純正の感じに近づいたようなイメージです。
余談ですが、この「MT-09シリーズ」に採用されている「CP3エンジン」は「非常に良いエンジン」であり、クロスプレーン・コンセプトが採用された3気筒エンジンならではの特性なのか、本当にモーターのようにトルクを発揮してくれます。
ここに、「エンジン負荷」の測定結果(MT-09SP、比較用としてYZF-R3)を図で表します。
赤色に近いほど、たくさん吸気してエンジン負荷が高い状態を示しており、緑色に近いほど、エンジン負荷が少ない状態であることを示しております。
※参考として色温度のみで表記しておりますが、実際は実数値で評価しております
「MT-09SP」は「スロットル開度」に比例するように「エンジン負荷」が大きくなっていることが分かります。本当にスロットルを開けた分だけエンジンが仕事をしてくれているので、これを見るだけでも、「スムーズな特性」を感じますね。
ただし、これは燃焼前の状態ですので、実際は「吸入された空気量」に対して「供給された燃料の量」の比率(空燃比)が適切でない場合、本来の性能を発揮できなくなります。
空燃比を測定し、燃料噴射量を適切に調整することで、この表のようなスムーズなエンジン特性に近づいていきます。
一方、「YZF-R3」では、2気筒エンジンらしく、「MT-09SP」と比べて低い回転域からしっかり負荷がかかり、低中速は非常に扱いやすそうに感じますが、「8,000rpm」をピークに負荷が徐々に減ってしまっています。
これだけを見ると、上まできっちり回して仕事をさせるというよりは、下からの太いトルクをしっかり使って走る方が得意そうですね。
ちなみにですが、負荷分布は「エンジン仕様変更(カムシャフト交換など)」「吸排気仕様変更(マフラー、エアフィルター、エアファンネル交換など)」で変化しますので、「純正状態の測定結果」と比較することで、例えば、サーキット走行のような走りを想定した時、この「バイク(エンジン)」にこの「マフラー、エアフィルター」は効果が出ているか?ラムエアダクトはしっかり仕事をしているか?といった検証なども行うことが出来ます♪
この分布を見る限り、「Spark Full Exhaust」「K&Nエアフィルター」の組み合わせは良い仕事をしているかもしれませんね♪
今回、このような測定データなども参考にしながら、きっちりと「現車セッティング」を実施させていただきました♪
上記でご紹介したような「現車セッティング(便宜上、「現車セッティング2.0」とします)」の実施は「特定の車種」に限られますが、興味がある方は下記「ECUチューニング 現車セッティング相談について」より「受付状況」、「受入条件(※)」などご確認のうえ、お気軽にお問い合わせください♪
※燃料マップ調整(現車セッティング)では、スタッフの安全や近隣住民への配慮により受入条件を設けさせていただいております
ECUチューニング 現車セッティング相談について
fuelsettings.html