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[No.10] SUZUKI GSX-S1000S KATANA 2019-2021 燃料マップ調整(現車セッティング)

[No.10] SUZUKI GSX-S1000S KATANA 2019-2021 燃料マップ調整(現車セッティング)

セッティング車両の詳細

  • [No.10] SUZUKI GSX-S1000S KATANA 2019-2021 燃料マップ調整(現車セッティング)
  • メーカー:SUZUKI
  • 車種・年式:GSX-S1000S KATANA 2019-2021
  • 仕様国:国内仕様
  • 排気システム:【YOSHIMURA】機械曲 チタンサイクロン Duplex Shooter(政府認証)
    [No.10] SUZUKI GSX-S1000S KATANA 2019-2021 燃料マップ調整(現車セッティング) [No.10] SUZUKI GSX-S1000S KATANA 2019-2021 燃料マップ調整(現車セッティング)
  • 吸気システム:【YOSHIMURA】TMS ファンネルKIT、吸気ダクトセパレータ撤去、他
  • 電装系統(プラグ・サブコン等):純正
  • エンジン:変更無
  • ミッション:変更無
  • スプロケット:変更無
  • その他:【寺本自動車商会】T-REVαシステム

作業風景

[No.10] SUZUKI GSX-S1000S KATANA 2019-2021 燃料マップ調整(現車セッティング)

結果・作業後の感想

[No.10] SUZUKI GSX-S1000S KATANA 2019-2021 燃料マップ調整(現車セッティング)

< 結 果 >
 [ 後 輪 馬 力 ]
  黄線: ECUチューニング + 現車セッティング … 127.7 [HP] (1.1%↑)
  橙線: ECUチューニングのみ … 126.2 [HP]
 [ ト ル ク ]
  青線: ECUチューニング + 現車セッティング
  紫線: ECUチューニングのみ

今回は「YOSHIMURA SERT MOTUL」として「2021 EWC(世界耐久選手権)ルマン24時間」で見事優勝を果たした「YOSHIMURA JAPAN」の「機械曲 チタンサイクロン Duplex Shooter(政府認証)」と「TMS ファンネルKIT」という豪華なパッケージで現車セッティングを実施させていただきました♪

TMS ファンネルKIT」は品薄が続く大ヒット商品のようですが、これを装着した場合、エンジン特性や空燃比などにどのような影響があるでしょうか。

一般的なCAN通信2.0aの通信速度を上回る「サンプリングレート:1,000Hz(1秒間に1,000データ取得が可能)」でエンジン・データ取得が可能な「高性能データロガー」や「応答速度が非常に優れたワイドバンドO2センサー」を車両に接続して、エンジン稼働時の空燃比をしっかり確認していきたいと思います♪

[No.10] SUZUKI GSX-S1000S KATANA 2019-2021 燃料マップ調整(現車セッティング)

ご覧の通り、高回転・高負荷領域アクセル開度がごく小さい領域、低回転などで「LEAN(薄い)」傾向が確認出来ます。

実際、シャーシダイナモをしばらく回していると「エンジンからの発熱が多く、水温がすぐに上昇する」「エンジンから大きめの振動がする」「アクセルを開けても力なく加速する」などの症状を確認したため、空燃比テーブルの結果通りとなっている可能性があります。エンジンによくない負担が掛かりそうな感じでしたので、この「LEAN(薄い)」の症状は直していきたいですね。

一方、「アクセル全開軸(WOT)」や「6,000~7,000rpm付近の領域」は以外にも適正値に近く、そんなに大きくは外れていないようです。実際アクセル全開軸(WOT)」で測定する[ 後 輪 馬 力 ]は、+1.5[HP](1.1%↑) と、セッティング前後でそんなに変化がありませんでした。

[No.10] SUZUKI GSX-S1000S KATANA 2019-2021 燃料マップ調整(現車セッティング)

現車セッティング実施後は、ご覧の通り、殆どの領域で「適正値(弊社が定めたターゲット空燃比)」に落ち着きました。特に「LEAN(薄い)」の傾向があった領域に関しては、増えた吸入空気量に対して、より多くの燃料を適正なバランスで噴射することが出来るようになったため、「機械曲 チタンサイクロン Duplex Shooter(政府認証)」や「TMS ファンネルKIT」のパフォーマンスを最大限発揮できるのではないかと期待します。

ちなみに、この車両のインジェクション・チューニングを実施された方は経験があると思いますが、この車両は様々なフィードバック制御により、燃料噴射量を増量しても特定領域の空燃比が「LEAN(薄い)」方向に戻されてしまいます。かなり強力な制御ですので、普通に進めるとドツボにハマります。適切に対処することにより、このような制御に影響を受けることなく、スムーズなセッティングすることが出来るようになります

[No.10] SUZUKI GSX-S1000S KATANA 2019-2021 燃料マップ調整(現車セッティング)

セッティング後は「エンジンの発熱が緩和(水温も落ち着いた)」「エンジンからの振動が軽減」「アクセルを開けるとスムーズにトルクが発揮される」という特性に変化しており、最大発生トルク・馬力に関しては大きな変化が無いものの、明らかに乗りやすくなっている印象でした。「TMS ファンネルKIT」を装着した際は、しっかりと燃料噴射量を調整した方が良さそうですね♪

今回は「新しいデータ・ロガー」や「高速通信」を利用した「現車セッティング2.0[仮]」の対応車種ということもあり、前回「[No.4] YAMAHA YZF-R3(ABS) 2018-2020 燃料マップ調整(現車セッティング)」の記事でご紹介した、「様々なアクセルの開け方(入力)」に対する調整も実施いたしました。

内容の詳細については、前回の記事に記載したため割愛させていただきますが、同じように「スロットル・スピード方式により算出される噴射量」と「スピード・デンシティー方式により算出される噴射量」のバランスを考慮しながら、「低負荷 ~ 高負荷」、「低回転 ~ 高回転」にかけて「スムーズなエンジン特性」を目指し、補正を繰り返し行います。その結果、空燃比の乱れによって発生している症状に関しては、上記で挙げたような効果が期待できます。

もちろん、燃料マップ調整(現車セッティング)の実施による効果は、吸排気仕様(マフラー、エアフィルターなど)やエンジン特性、さらには現状の空燃比の状態などにより異なるため、すべてのケースで上記のような効果を引き出せるとは限りませんが、今回は一つの例として参考にしていただけますと幸いです。

[No.10] SUZUKI GSX-S1000S KATANA 2019-2021 燃料マップ調整(現車セッティング)

上記でご紹介したような「現車セッティング(便宜上、「現車セッティング2.0」とします)」の実施は「特定の車種」に限られますが、興味がある方は下記「ECUチューニング 現車セッティング相談について」より「受付状況」、「受入条件(※)」などご確認のうえ、お気軽にお問い合わせください♪
※燃料マップ調整(現車セッティング)では、スタッフの安全や近隣住民への配慮により受入条件を設けさせていただいております

 ECUチューニング 現車セッティング相談について
  fuelsettings.html

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